
創立の由来・沿革
創立の由来
時代背景
わが国に初めて鉄道が開通したのは1872年(明治5年)で、東京(新橋)~横浜(桜木町)間に イギリスから輸入した蒸気機関車が走り、世間の人々を驚かせたことは、歴史に残る画期的な 出来事でした。一方、電車の登場はいつなのかというと、知っている人は殆んどいないといっても過言ではないでしょう。
それは1895年(明治28年)のことで、京都電気鉄道が京都駅前~伏見間に路面電車を走らせたのが最初で、日本の都市交通近代化の幕開けが始まったのです。
以来、わが国の鉄道技術は目覚ましい進歩を遂げ、電車のボディやレールの国産化も急速に進んできました。 しかし、電車の心臓部に当たる主電動機、制御装置などの主要電気機器は、依然として外国製品の輸入に頼る他なかったのです。

国産化の動き
このような状況の下で、1914年(大正3年)第1次世界大戦が勃発しました。 軍需景気が湧き立つ中で、わが国の電気鉄道も隆盛の気運をみせていましたが、肝心の電気機器の輸入が途絶の状態となってしまいました。 そこで、外国の輸入品に頼らず、わが国独自で車両用電気機器の製作をしようという気運が、鉄道業界をはじめ財界、産業界の中に浸透していったのです。
設立
1917年(大正6年)、早くからわが国電気鉄道業界の先駆者として知られ、当時石川島造船所の社長で京阪電気鉄道等の役員であった渡辺嘉一氏(当社初代社長)が中心となり、従来より電機メーカとして世界的に名高いイギリスのディッカー社(Dick Kerr & Co.Ltd.のち、English Electric Co.と改称)と 技術提携を行い、続いて1918年6月20日(大正7年)同社製品の国産化を企図して、資本金300万円をもって東洋電機製造株式会社を設立しました。


翌年、当時貿易港として国内随一の繁栄を誇っていた横浜港の西にあたる保土ケ谷区西久保町に、地の利を得て横浜工場を建設しました。 工場建設と同時に直ちに生産活動を開始し、1920年(大正9年)には、当社初の直接制御器及び主電動機を完成し京阪電気鉄道へ納入しました。
これが好評を博したのが契機となり、引続き全国各地の主要電鉄への納入も始まり、当社の専門メーカとしての地位が確立されていったのです。

社名の由来
1914年(大正3年)の第一次世界大戦勃発以降、欧州から電気機器の輸入が途絶えたこともあり、急速な国産化の機運が高まったという時代背景がありました。
当社の設立趣意書によれば、国産化を成すことで、第一次世界大戦により輸入が途絶えた我が国の需要窮乏を補い、 諸外国からの輸入を防止することで資金の流出を防ぎ、更には、国産化した製品を東洋各国へ輸出して、外貨を獲得し、国家の助成に貢献する為に会社を設立するとあります。
車両用電機品を国産化するだけでなく、広く東洋各国へ輸出し、国の発展に寄与したいとの壮大な思いから、"東洋電機製造"という社名になったのです。

(横浜市保土ケ谷区)

沿革
1918〜1949(創立〜戦後)
1918
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- 英国のディッカー社と技術提携し資本金300万円で創立
1919
-
- 横浜工場操業開始
1920
-
- 直接制御器、主電動機を京阪電気鉄道株式会社へ納入
1921
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- わが国初の国産パンタグラフ完成日本初
1926
-
- 三相交流整流子電動機(シュラーゲ形、のちのASモータ)製作開始
1932
-
- わが国初のトロリーバス用電機品完成日本初
- わが国初の複巻電動機使用の回生発電ブレーキ付制御装置完成日本初
1935
-
- わが国初のディーゼル電気動車完成、相模鉄道株式会社に納入日本初
- 東洋電機青年学校の設立(現在の技能訓練センターの前身)
1949
-
- 株式を東京証券取引所(一部市場)に上場
1950〜1989(戦後復興〜高度成長期を経て)
1950
-
- ST型分巻整流子電動機(200馬力)開発
1952
-
- わが国初の中空軸平行カルダン駆動方式完成日本初
1954
-
- 技術研究所設置
1958
-
- 国鉄特急型電車「こだま」用主電動機、制御装置完成
1959
-
- 自動列車停止装置(ATS)完成
1960
-
- 新幹線用主電動機、歯車装置試作
- パナマ運河曳船用電気機関車受注
- わが国初の車両用定速運転制御装置完成日本初
- わが国初の船舶用油圧ウインチ完成日本初
1963
-
- 新幹線向け電機品(パンタグラフ、主電動、歯車装置)を国鉄に納入
- わが国初の新聞輪転機用サイリスタ静止レオナード装置を完成日本初
1964
-
- 技能訓練所開設
1965
-
- わが国初のサイリスタ静止レオナード装置シリーズ完成日本初
1966
-
- 切符の自動券売機を製品化
1968
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- 世界初の車両用量産静止形補助電源装置(SIV)の完成世界初
1969
-
- 自動車用ブレーキ試験装置完成
1972
-
- 世界初の完全ブラシレス電動発電機(BLMG)完成世界初
- わが国初の150kVA 440Hz静止形CVCF完成日本初
1973
-
- 定期券発行システム完成
1977
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- 大型自動製図機完成
1978
-
- 当社独自のAFEチョッパ装置を開発
1983
-
- 静電プリンタプロッタ「ドラステム8000」完成
- 車内補充券発行機完成
1985
-
- 国鉄205系電車用に添加励磁式界磁制御装置納入
- 現在の横浜製作所竣工
- 鉄道車両推進用VVVFインバータ制御装置実用化
1988
-
- 世界初のヒートパイプ冷却式の8個電動機一括制御VVVFインバータ完成、東京急行電鉄株式会社に納入世界初
1989
-
- わが国初の逆導通GTOサイリスタを使用した小型VVVFインバータ完成日本初
1990〜2023(グローバル展開〜100年のその先へ)
1990
-
- わが国初のストローク切替形戸閉機械完成日本初
- わが国初のインテリジェント・ドアシステム完成日本初
1991
-
- わが国初の1,500V量産形逆導通GTOサイリスタ使用の軽量VVVFインバータ完成日本初
1992
-
- LED方式普通紙プロッタ完成
1994
-
- 「汎用インバータの製造」ISO9002 の認証取得
- 相模製作所で ISO9001 の認証取得
1996
-
- シングルアームパンタグラフ納入
1997
-
- 自動改札機対応の車内補充券発行機完成
- 新聞のカラー化に対応したシャフトレス新聞輪転機用電機品を納入
- 横浜製作所で ISO9001 の認証取得
1998
-
- 北京市に地下鉄電車用VVVFインバータほか電機品を納入(復八線)日本初
1999
-
- 新型インバータVF64シリーズ完成
- パナマ運河曳船用第3次型電気機関車プロト車を納入
2000
-
- 永久磁石同期電動機(EDモータ)完成
- 環境システム事業で ISO9001 の認証取得
- 「超低床LRV台車技術研究組合」発足し、当社も加入し共同開発着手
- 新聞輪転機用EDモータ納入
2001
-
- 環境システム事業でISO14001の認証取得
2003
-
- 電気自動車用インホイールモータ開発
- 車両用同期並列運転方式補助電源装置を開発(JR東日本E993系)
2004
-
- わが国初の「フルフラット超低床LRV車両」を共同開発日本初
- ISO14000 環境管理システム認証取得
- 自動車用インホイールモータの開発・走行に成功
2005
-
- 常電導磁気浮上電車「リニモ」用電機品を愛知高速交通株式会社に納入(愛知万博)
- 北京駐在員事務所開設
- ダラス市向けLRV電車用電機品納入
- 台湾新幹線用にパンタグラフ・TD継手を納入
- エンジンレス トランスミッションテスタおよび車両レスエンジン負荷装置を開発
- EDモータ駆動用インバータED64シリーズ開発
2006
-
- 鉄道用「電力貯蔵装置」開発
- ICカード対応の駅務機器を開発
- 次世代高速新幹線用低騒音「歯車装置・パンタグラフ」を開発
- 高速演算コントローラDG-AMP開発
2007
-
- 2000年から発売を開始したEDモータ(永久磁石同期電動機)が1万台を突破
- 交通系ICカード「PASMO」対応の定期券発行機を駅施設に納入
- 路面電車用としては世界初となる「架線電圧補償システム」を鹿児島市交通局に納入、稼動開始世界初
- 東海道・山陽新幹線のN700系が営業運転開始(主電動機・歯車装置・集電装置・TD継手・静止型変換装置等を納入)
- 遠隔監視装置μTOPcm/RX開発
- 教育センター新設
- 中国四川省成都地下鉄1号線用の電機品受注
- 財団法人鉄道総合技術研究所が公開したハイブリッドLRVに、コンバータ装置、駆動用インバータ装置、補助電源装置、歯車装置、主電動機及びパンタグラフを製作・納入
2008
-
- 11kW以上の中・大容量形の汎用インバータ「VF66シリーズ」を販売開始
- 7.5kWまでの小容量形の汎用インバータ「VF66シリーズ」を販売開始
2009
-
- 架線・バッテリーハイブリッド車両「Hi-tram(ハイ!トラム)」が「第38回日本産業技術大賞 審査委員会特別賞」を共同受賞
- 富士電機システムズ株式会社と海外市場における、鉄道電機品に関する業務提携基本契約締結
- 東洋ワイヤレス計測システム発売開始
2010
-
- 研究開発・設計棟竣工、エンジニアリングセンターとなる
- 株式会社日立製作所と海外市場における鉄道電機品に関する業務・資本提携基本契約締結
2011
-
- 株式会社豊田自動織機と産業機械分野のモータ・インバータ事業に関する業務・資本提携基本契約締結
2012
-
- 「新型高速新幹線電車E5系」の開発への貢献に対し「第41回日本産業技術大賞文部科学大臣賞」を共同受賞
- インド・デリー市に駐在員事務所開設
- 米国ロサンゼルス郡都市交通局向けLRVの電機品を受注
- JR西日本向け車掌用携帯端末稼働
2014
-
- タイ・バンコク市に駐在員事務所開設
- 上越・北陸新幹線E7系向け電機品納入
2018
-
- 5月 滋賀竜王製作所竣工
- 6月 東洋電機製造創立100周年
- 鉄道用超電導フライホイール蓄電システムの委託研究開発を受注
2022
-
- インタイヤハウスダイナモを用いた自動車の車両試験システムを納入
- 愛知高速交通株式会社向けVVVF装置に遠隔監視システムを初搭載
- 東京証券取引所スタンダード市場に移行
2023
-
- インドネシア通勤鉄道向け新造車両用電機品を受注
(創立100周年を迎えた2018年時に作成しました)