技術開発情報

東洋電機技報 第131号

※ 技術論文、開発レポート、製品解説については東洋電機技報本文からの抜粋です。

技術論文

ワイヤレスインホイールモータの開発と実験的検証
Development and Investigation of Wireless In-Wheel Motor

佐藤 基、居村 岳広、藤本 博志
Motoki Sato, Takehiro Imura, Hiroshi Fujimoto

In-Wheel Motors (IWMs) in electric vehicles are particularly important for motion control. A conventional IWM is powered from a battery aboard the vehicle via cables. Since power cables and signal cables of an IWM are exposed to harsh environments, they can possibly become disconnected by high acceleration or vibration. In order to overcome this problem, the Wireless-In Wheel Motor (W-IWM) has been proposed. The risk of disconnection would disappear if the cables of IWM are removed. One way to implement wireless power transfer is by utilizing the magnetic resonance coupling method. However, motion of the W-IWM, and thus a misalignment between the wheel and the vehicle, leads to variations in the secondary-side voltage provided.
To account for this, this paper discusses two new control methods. One proposed method maintains the secondary voltage using a hysteresis comparator. The other proposed method estimates the secondary inverter output power, applying it to a feed-forward controller in order to keep the secondary DC-link voltage constant. Experimental results show that these methods can drive a W-IWM effectively with high efficiency.

<まえがき>
電気自動車(EV)は人体に有害なガスや、温室効果ガスを出さない等と環境性能に優れているが、それだけではなく、モータの速い応答性により運動性能にも優れている。特にホイール内部に駆動源を配置するインホイールモータは駆動力をタイヤに直接伝達できるため最も望ましい駆動形態である。
 ここで、図1に本研究のコンセプトを示す。従来のインホイールモータは車体側からワイヤにより電力が供給されている。これを無線化することで電力・信号用ワイヤの切断リスクに対する信頼性の向上や路面からの給電への応用も期待できる。このようなインホイールモータの構成をワイヤレスインホイールモータ(以降W-IWMと記す)と定義する。インホイールモータはサスペンションの動きにより車体と相対変位するため、送受電コイルの位置ずれに強い磁界共振結合による方法が有効である。
 磁界共振結合によるワイヤレス電力伝送では、負荷の変動や送受電コイルの相対変位に対して二次側(受電側)の電圧、電流が変動することが知られている。したがって、ワイヤレスインホイールモータを実現するためには、送電側・受電側における電力変換回路の制御方式の確立が必要である。また、車両においてインホイールモータが配置される周辺にはサスペンションアーム等の金属部材が多数存在する。磁界共振結合方式では送受電コイル間の磁気的な結合を用いて電力を伝送するため、これらの金属部材が電力伝送の効率に大きく影響することが知られている。このような金属部材の影響を最小化するための送受電コイルの配置上の工夫や、コイルにおける磁性材料の活用が必要である。
 本稿では磁界共振結合方式によるワイヤレスインホイールモータの開発について報告する。実験用電気自動車に搭載する試作ユニットの構成と電力変換回路の制御方法について述べる。さらに、試作ユニットによる実験結果について報告する。

開発レポート

直並列連続切替チョッパの提案
Proposal of Series-Parallel Continuously Regulated Chopper

森 雄生、中村 将之、牧島 信吾、上園 恵一
Takao Mori, Masayuki Nakamura, Shingo Makishima, Keiichi Uezono

The current Auxiliary Power Supply (APS) for railway vehicles is directly connected with catenary through LC filter. For this reason, breakdown voltage of switching devices must be high considering catenary voltage changes. On the other hand, low voltage switching devices have better characteristics about low losses and high frequency operation. Therefore, step-down converter is inserted between LC filter and inverter to avoid catenary voltage changes and to apply low voltage switching devices.
In this paper, the series-parallel continuously regulated chopper is proposed as that step-down converter. First, fundamental operation characteristics and output voltage control for constant power load are introduced. Then, the operational characteristics under different potential distribution or different load condition are considered. Finally, experimental results of fundamental characteristics are described.

<まえがき>
 現在の鉄道車両用補助電源装置(SIV・APS)は、インバータがLCフィルタを通して架線に直接接続されている。そのため、架線電圧の変動を考慮すると、スイッチング素子の耐圧を高く取らなければならない。その一方、スイッチング素子は現在のSiCデバイスに代表されるように、耐圧が低いものほど性能がよく、低損失・高周波動作による機器の小型化が可能となるメリットがあるため、その特長を活かすためのさまざまな研究が行われている。
 インバータの前段にチョッパを挿入し、架線電圧変動の影響を抑え、後段の変換器の耐圧を低くし、低耐圧素子を適用する手法は過去にも実現されており、例えば二重チョッパ方式やブースタ方式、二相昇降圧チョッパ方式などがある。また、SIV向けに限らず直列・並列接続を切り替えて動作するチョッパ、あるいはそれに類似するチョッパとして、直並列チョッパや二分割二相チョッパ、多段直並列切替方式チョッパ、負荷多分割形チョッパ、SPARC、ジグザグ接続チョッパなどが提案されてきた。
 本稿では、スイッチング素子に印加される電圧が入力電圧ではなく出力電圧に依存し、なおかつ構成の簡単化のため汎用インバータで構成可能な、図3に示す直並列連続切替チョッパ(以下、提案チョッパとする。)およびそれを含む高周波絶縁SIVを提案する。提案チョッパについて回路の基本動作の解析および、定電力負荷に対する出力電圧制御系の検討、各種不平衡出力時の動作検討および実機による基本動作・電圧制御適用時の動作の確認を行ったので報告する。

製品解説

系統連系インバータ(VF66G)
Utility interactive inverter(VF66G)

野嵜 正浩、桐谷 知明
Masahiro Nozaki, Tomoaki Kiriya

Recently, power generation using renewable energy (e.g., wind power) has spread rapidly to solve the environmental problems. Those grid interconnection power facilities need power-conditioner for high quality and reliable power supply. Power-conditioner is confi gured by converter and utility interactive inverter. TOYO DENKI SEIZO K.K. has also been supplying such products as utility interactive inverter VF64AG series which have been received favorable by industrial market.
Also, the ship inboard power supply generator needs to consider environmental problem and energy-saving. For example, excess energy or exhaust energy of marine engine is utilized for parallel generator of power supply for ships. However, that generator output frequency or electric power fl uctuate by state of marine engine. Therefore, that system needs inverter connecting inboard supply for generator. We has also been supplying such products as inboard supply inverter VF64GT series.
We are now developing new utility interactive inverter VF66G series that integrates utility interactive inverter VF64AG series and inboard supply inverter VF64GT series.

<まえがき>
 近年、温室効果ガスを原因とする地球温暖化への対応の必要性から再生可能エネルギーの積極的活用が求められており、風力などの自然エネルギーを利用した発電が急速に普及している。これらの発電設備は、網目状に広がる電力系統に分散して配置される分散型電源として電力系統と連系し、安定した高品質な電力を供給するためにパワーコンディショナを必要とする。パワーコンディショナは、発電した電力を直流に変換するコンバータと電力系統と連系する系統連系インバータにより構成される。当社においてもご好評いただいている系統連系インバータVF64AGシリーズを商品化している。
 また、船舶用の船内電源などに使用されるディーゼル発電機によって供給される発電設備においても、省エネルギー対応や環境への配慮から、駆動エンジンの余剰エネルギーやエンジンの排気エネルギーを、発電機で電気エネルギーに変換し、船内電力系統母線に連系することで活用している。発電機の出力は、駆動エンジンの運転状態に応じて周波数や出力が変化し、そのまま船内電力系統母線と並列運転できないため、連系インバータが必要となる。大型の船舶では、複数台のディーゼル発電機をガバナ制御により並列運転するシステムであるため、連系インバータにおいても同様にガバナ制御を行い並列運転する。当社では、船舶用連系インバータVF64GTシリーズを商品化している。
 今回、系統連系インバータVF64AGシリーズおよび船舶用連系インバータVF64GTシリーズを統合した後継シリーズとして新系統連系インバータVF66Gシリーズを開発したので紹介する。

※ 第1号~第104号は目次のみの掲載です。


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