技術開発情報

東洋電機技報 第129号

※ 技術論文、開発レポート、製品解説については東洋電機技報本文からの抜粋です。

技術論文

高速運転可能な埋込フェライト磁石同期モータ構造の検討
Study on Structure of IPMSM with Ferrite Magnets Driven at High Speed

三木 一郎、松元 佑弥、金田 拓也、岡本 吉弘
Ichiro Miki, Yuya Matsumoto, Takuya Kanada, Yoshihiro Okamoto

This paper proposes a structure of interior permanent magnet synchronous motor (IPMSM) with only ferrite magnets that can be driven in the high speed region. Motor characteristics of a basic IPMSM with rare-earth magnets are compared to those of a basic IPMSM with ferrite magnets in order to discuss the difference of characteristics due to magnets first of all. Three types of structure for IPMSM with ferrite magnets are presented to obtain the high performance, and characteristics of these IPMSMs are also analyzed by the finite element method. According to analyzed results, one of three types of motor structure shows high maximum output power and high efficiency from low speed to high speed, although the maximum torque can't achieve the goal. Therefore, this type of IPMSM is useful for a wide speed range and constant power drives.

<概要>
埋込磁石同期モータは高出力・高性能なために産業用、家電・民生用のほか、電気自動車やハイブリッド電気自動車にも搭載されるなど、適用範囲は拡大した。しかし、一方で希土類磁石は、産出が中国など一部の国に限られていることなどから、入手が不安定になる状況が生じたり、価格の高騰を招いた。そのため、希土類磁石を使用しない、あるいは使用を制限したモータの開発などが積極的に行われるようになってきた。希土類磁石の代わりによく使用されるフェライト磁石は、希土類磁石に比較し磁束量は小さいが、最近では保磁力が向上している。各所で研究が進められ既に報告されているモータの例として、希土類磁石を全く使用しない埋込磁石同期モータ(IPMSM)では、例えばフェライト磁石をスポーク状に配置することにより磁石の表面積を大きく取り、磁束量を増加させたスポーク型IPMモータがある。また、広い定出力運転範囲を有し、高速域でも効率特性に優れた、リラクタンストルクを主としたIPMSMも開発されている。さらに、希土類磁石の使用を制限したモータとしては、ハイブリッド(HEV)自動車用に開発されたモータとされているが、我が国で開発されたHEVに搭載のIPMSMと比較して希土類磁石の使用を半減したハイブリッド界磁モータなども報告されている。
本論文では、高速で定出力運転可能なフェライト磁石のみを使用したIPMSMにおいて、良好な諸特性を得るための回転子や固定子の構造を示し、有限要素法によるソフトウェアを用いて特性の解析を行い、検討する。まず、直方体の希土類磁石を回転子に埋め込んだIPMSMと、直方体のフェライト磁石を埋め込んだIPMSMについて諸特性の比較を行い、おのおののモータの特性を明らかにする。次に、回転子や固定子の構造を改善したIPMSMを提案し、諸特性を求め検討を加える。諸特性の目標の一部は、先に得られた直方体の希土類磁石IPMSMの最大トルク、最大出力、最大効率などである。
提案するモータ構造は3タイプあり、はじめのものは回転子内部に埋め込む磁石形状の断面が3層の円弧状で、磁石にリブを設けたタイプ、2番目は磁石の断面形状は3層の円弧状で1番目と同じであるが、磁石の着磁方向が異なるタイプ、3番目はさらに固定子のティース幅を広げ固定子のヨーク幅を狭くしたタイプの3種類である。これらの構造のモータに対して、トルク、出力および効率特性のほか、回転子強度についても検討を行い、最も良好な特性のモータ構造を示し、高速運転が可能なモータについて明らかにする。

開発レポート

高効率EDモータ(IE4相当)の開発
Development of high permanent magnet type synchronous motor

赤池 勝利
Katsutoshi Akaike

Super premium efficiency (IE4) is shown by the IEC standard 60034-31. Currently, an variable speed motors is defined by premium efficiency (IE3). It is expected that the motor is regulated by IE4 in countries. Therefore, the author proposed the motor over IE4 efficiency class. The development motor achieved IE4 efficiency class.

<概要>
近年、地球環境保護の観点から地球温暖化防止の流れや、2011年の東日本大震災に始まった原発停止に伴う電力不足から、使用エネルギー削減が問題になっている。
図1は、温室効果ガス排出量の推移である。温室効果ガス排出削減目標は、対1990年比で2020年までにEUが20%減、日本は25%減となっており、現在大きな課題となっている。
モータによる消費電力量は、世界の消費電力量全体の40~50%を占めるとされており、近年では世界的にモータの高効率化規制が進んでいる。
モータの効率レベルは、世界的な規格であるIEC規格(国際電気標準会議)で規定されている。
効率クラスとしては、IE1(標準効率)、IE2(高効率)、IE3(プレミアム効率)がIEC60034-30で定められており、IE4(スーパープレミアム高効率)については、可変速モータ(インバータ駆動モータ)に対する効率規格としてIEC60034-31で規定されている。
しかしインバータを使用するため、可変速駆動システム(PDS)としてインバータを含めた全体の効率で規制する流れが各国において出ているものの、現時点では効率や試験方法などを策定中で明確になっていない。
そこで、本件では当社製品の永久磁石モータEDモータをベースにIE4相当の効率をクリアするモータを開発し、インバータ駆動によるモータ単体での効率評価を行ったので報告する。

※ 第1号~第104号は目次のみの掲載です。


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