技術開発情報

東洋電機技報 第124号

※ 技術論文、開発レポート、製品解説については東洋電機技報本文からの抜粋です。

技術論文

インホイールモータとタイヤ横力センサを用いた電気自動車の運動制御
Motion Control of Electric Vehicle with In-wheel Motor and Tire Lateral Force Sensor

藤本 博志、中村 雅憲
Hiroshi Fujimoto, Masanori Nakamura

Electric vehicles (EVs) have attractive potential not only for energy and environmental performance but also for vehicle motion control because electric motors have quick and measurable torque response. Recently, the authors' laboratory has developed a completely original EV which has active front and rear steering systems and hightorque direct-drive in-wheel motors with 4 lateral force sensors in the all wheels. In this paper, the main features of this vehicle are briefly introduced and our recent studies on yaw-rate control with lateral force sensors, tire force distribution, and slip-ratio control are explained with experimental results.

<概要>
電気自動車は、そのエネルギー効率と環境性能の高さが大きく注目を集め、電池性能の急速な発展により、各社から市販が開始されている。さらに車両運動制御の観点からも、トルク応答が高速であること、発生トルクが正確に把握可能であること、各輪独立駆動が可能となることなど、大きな魅力がある。 著者の研究室ではこれらの特長を活かし電気自動車ならではの運動制御性能を追求するために完全オリジナル電気自動車「FPEV2-Kanon」を製作した。Kanonの主な特長は以下の3点である。
・ダイレクトドライブ構造の高トルクモータの搭載
・アクティブ前後輪操舵機構の実装
・タイヤ横力センサの搭載
著者らはKanonの特長を活かし、様々な車両運動制御の研究を進めてきた。具体的には、「アクティブステアリングとインホイールモータを用いた制駆動力配分」、「車両横すべり角とヨーレートの同時制御」、「急制動時のピッチング制御」、「制動時におけるスリップ率制御」などの成果が挙げられる。 文献(3)では、従来推定していたタイヤ横力をセンシングすることで従来法よりも追従特性が優れたヨーレート制御法を提案している。また、文献(4)では、ヨーレート制御における前後輪操舵角と後輪2輪制駆動力の操作量の配分法について検討している。本稿ではタイヤ横力センサを用いたこれらの車両運動制御法に関する最新の研究成果について解説する。また車体速度の検出が不要なスリップ率推定法と制御法について説明する。

製品解説

東日本旅客鉄道株式会社253系1000番代用電機品
Substitute Electric Equipment of Series 253-1000 Train For East Japan Railway co.

飯田 哲史、木原 直彦、宇佐美 剛
Norifumi Iida, Naohiko Kihara, Tsuyoshi Usami

As substitute of 485 series and 189 series operated in Tobu Nikko and Kinugawa line “Nikko” and “Kinugawa” limited express, East Japan Railway Company introduced 1000 number car with renewal of interior and exterior decorating and updated electric equipment for the car of 253 type fifth order 200 number car used in Narita Express.
We delivered propulsion inverter, brake chopper, filter reactor, brake resistor, traction motor, auxiliary power supply and so on as electric equipment for 253 series 1000 number electric rail car.
We are pleased to introduce brief summary of 253 series 1000 number electric rail car and main circuit system and auxiliary power supply for the car.

<概要>
東日本旅客鉄道株式会社では、東武日光線・東武鬼怒川線直通特急「日光」・「きぬがわ」で運用されている485系および189系の置き換え用として、成田エクスプレスとして使用されていた253系の5次車200番代車両の内外装のリニューアルならびに電機品を更新した1000番代電車を導入した。
当社では、この253系1000番代電車用電機品として、VVVFインバータ装置、ブレーキチョッパ装置、フィルタリアクトル、ブレーキ抵抗器、主電動機、補助電源装置等を納入した。
以下、253系1000番代電車の概要と主回路システム、補助電源装置について紹介する。

東洋ワイヤレス計測システムのシリーズ化
Series of “Toyo wireless measurement system”

久保田 和雄、乾 孝充
Kazuo Kubota, Takamitsu Inui

Recently, the operation for power saving and energy conservation advances in a lot of enterprises, groups, and societies. To improve effects of power saving, it is very important to visualize electric energy and variation of electric power consumed by equipments.
Moreover, we can learn trends and tendencies from relationship of environmental condition and energy consumption other than electric power. As a result, a lot of effects can be expected to improve energy efficiency.
"Toyo wireless measurement system" is a system that visualizes consumption of energy and environmental condition with various kinds of sensors.
The sensors use radio wave to send and receive measurement data. Therefore, it is unnecessary to lay communication cables when you install the sensors. In addition, you can see measurement data in a place away from the sensors, and can manage measurement data collectively.
This time, we abundantly prepared products of "Toyo wireless measurement system" and concluded series. We introduce features of the products included in the series.

<概要>
 2010年4月の改正「エネルギー使用の合理化に関する法律」(省エネ法)施行や昨今の東日本地域における電力供給逼迫を契機に、省電力・省エネルギーへの取り組みが、日本全国のあらゆる企業・団体や社会において進められている。省電力の効果を上げるにあたって、設備の消費電力量や電力変化を監視し「見える化」することは、大変重要である。
また、ガスなど他エネルギーの消費量をモニタリングしたり、温度などの環境条件を関連付けて「見える化」したりすることで、様々なエネルギーの消費動向やエネルギー消費量変化の要因をあわせて知ることが可能となる。これにより、省エネルギーに向けてより大きな効果を上げることが期待できる。 東洋ワイヤレス計測システムは、電力センサをはじめとした多種のセンサにより、エネルギー消費量や環境条件などの変化を「見える化」するシステムである。
本システムでは、無線を用いて計測データを授受するため、センサ設置時に通信用ケーブルの敷設が不要であり、容易に導入することが可能である。また、センサから離れた場所で計測データを閲覧したり、複数の計測データをまとめて管理したりすることが可能であり、省エネルギー対策などさまざまな用途に活用することができる。
今回、本システムの製品を豊富に取り揃え、シリーズ化を完了したので、シリーズに含まれる製品およびシステムの特長を中心に紹介する。

※ 第1号~第104号は目次のみの掲載です。


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